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主にコンサートの感想を書き連ねた備忘録

ミラノ・スカラ座「ドン・カルロ」(2009年9月12日)

今回の引越公演で日本で100回目の公演を達成するというお馴染みのスカラ座は、今回「ドン・カルロ」と「アイーダ」という対照的なヴェルディ2本で勝負した。
演出も方や豪華絢爛のゼッフィレッリと方や様式美のブラウンシュヴァイクと中々考えられてる。そんな「ドン・カルロ」の二日目を見た。何より物語の内面性を重視した演出と、それを見事に音化したダニエレ・ガッティの指揮のベストマッチングが大きな牽引力となった素晴らしい公演であったと思う。歌手達は全体に小ぶりではあったが、それはむしろこの公演には良かったかもしれない。そんな中では、フィリッポ2世のルネ・パーペが歌唱演技の充実、エボリ公女のドローラ・ザージックが豊かな声量、宗教裁判長のアナトーリ・コチェルガが存在感で群を抜いていた。一方ロドリーゴのダリポール・イエニス、ドン・カルロのラモン・ヴァガスは安定的に役をこなし、エリザベッタのミカエラ・カロージは特に後半の繊細な歌唱が特筆すべきものだった。賛否両論ある主役に影のように付き添う子役の起用であるが、これにより人生の中での時の移ろいというか、時間の経過が視覚的に確認でき、人の歴史に広い奥行を与えていたと私は大きく評価したい。また群衆の近代風の服装に関しては、見る者の心をこの永遠の主題にぐっと引きつける効果があったように思う。